29歳 女 物事の捉え方が変わったと思います

一般私立高校に入学してすぐ、とある病気が発覚したため、通学が難しくなりました。
それでも一学期までは、保健室登校も交えながら通い続けました。

ですが、だんだんそれすらも出来る回数が減っていき、勉強もほぼ自己学習で、教室まで行けることは、なくなっていました。

なんとか最初の中間・期末テストをクリアしたものの、このままの調子では勉強内容はもちろん、出席日数の面でも進級が厳しいことは目に見えていました。

そこで、母からの提案もあり、通信制高校への転校を決意しました。
そうすることて、大学入試を受けるための資格も得られると聞いたからです。
まだ、将来のことなど何も考えられませんでしたが、なんとなく、大学には行かなければいけないと思っていました。

もともとクラスに出ることもほとんどなかったため、最初に通っていた高校をやめることに対して、未練はそれほどありませんでした。

唯一気になっていたのは、「普通の高校とは違う」ということでした。
当時ドラマやニュースなどで取り上げられる通信高校の話題や環境というと、学校に馴染めなかった目立たない生徒や、問題を起こした生徒などが、通信制でかたちだけの学生生活を送るといった、今思えば、やや偏ったイメージだったのです。

実際に通信高校に通い始めると、一般のフルタイムの授業とは異なるものの、他の生徒との出会いもたくさんありました。

最初に抱いていたイメージは一部当てはまり、様々なケースで、学校に馴染めなかったり、辞めざるをえない生徒がいました。

ですが、それは悪いことばかりではありませんでした。
それぞれ抱える事情は違いますが、みんな「それでも高校を卒業したい」「勉強をしたい」という思いを持って授業を受けていたからです。

見た目にも、一般の高校では見かけないような髪色やピアス、ファッションの生徒も多くいました。
以前の私立高校に通っていたら、きっとその見た目だけで判断し、関わることがなかったように思います。

そんな彼らと話し、同じ悩みを抱えていることを知り、また新しい価値観を知れたことは、間違いなくいい経験です。

偏見がどういうものなのかということを、本当の意味で知れたのも、この通信制学校での生活のおかげだと思います。

その後、無事に卒業し、大学へ進学したのですが、その際にも人との関わりにいい意味で影響を与えてくれました。
通信制高校での生活は、毎日学校へ通って、クラスや部活に勤しむ「誰もがする学生生活」とはやはり少し違いましたが、それも含めて良い経験だったと言えると思います。

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